「保護司は心の療法士」
札幌市手稲区保護司会前会長の岡本和輝さんが、「更生保護」4月号に「保護観察等事件を担当しない保護司0達成」への道のりと題して寄稿しました。
日本更生保護協会発行の月刊誌で、全国の保護司に届けられました。
それによると、近年、犯罪件数の減少によって保護観察等事件を担当しない保護司の数が増えています。手稲区保護司会でも4年ほど前から同様の傾向になり、その数は4割強にまで達しました。長い間担当なしという保護司も増え、士気にもかかわってきました。
同会では従来、保護観察の対象者が住む分区の保護司が担当してきましたが、四つの分区間に担当数の差が生じてしまいます。少ない事件数でも工夫して全保護司が担当できないか、保護観察所と協議してきました。面接場所の中心になっている手稲区更生保護サポートセンターは、区の中心にあり、交通も利便です。そのため、分区内の保護司に限定しなくても、手稲区全体の保護司が同センターを活用して、担当可能と判断しました。対象者全員が同センターでの面接を了解したことで、分区による担当数の差が解消され、昨年7月には担当のない保護司ゼロを達成しました。私(上村)も昨年6月に保護司になり、早速、事件を担当しています。
新任保護司には先輩を「サポート保護司」として委嘱し、1年間支えていく取り組みも2013年から続けています。新任保護司のための手引書も昨年12月、同会独自に作成しました。この中で岡本さんは「保護司は、心のセラピスト(療法士)だと思います」と書いています。保護観察等の対象者を「自分自身に自信をなくし、非行または犯罪を起こした患者」さんだととらえ、対象者の話をじっくり聴くことから、スタートしているからです。全国の保護司会からこの冊子を送ってほしいという電話が来ています。
岡本さんは今春、藍綬褒章を受けました。