全体を感じるー池見陽さんのWS

 「人の体験は分割できない。全体を思い浮かべて、どう感じるかを聞く」-。7月20、21日にそれぞれ北大と道民活動センターで開かれたワークショップ。池見陽さんが参加者の一人を相手に実演したデモンストレーション中に、貴重な応答がたくさんありました。
 20日はジェンドリンのフォーカシングを学んだ中で、2回のデモを見せました。ショートフォーム(簡便法)の第1ステップであるクリアリング・ア・スペース(心の整理)を丁寧に進める方法が一つ目。二つ目は、ショートフォーム全体です。後者では、浮かんできたフェルトセンスがハンドル(取っ手)表現で合っているかどうか確かめたあと、池見さんは「今あらためて、(テーマになっていること)全体を思い浮かべると、どう感じるか」と質問しました。ここで、話し手に気づきが起きました。
 参加者の質問に答えて、池見さんは「リスナーが『もっと詳しく話してください』と言うと、いろんな側面があるので、詳細を話す、狭い所にに入っていく。全体を尋ねた方がいい。『もっと話してください』なら良い」と注意点を語りました。
 21日は、アジア的なフォーカシングについてデモをしました。生起してきた「雑念」をどこかに置こうとせず、視覚イメージで雑念が行きたいところに行かせておきます。西洋流では、話し手と聴き手の役割を守りますが、池見さんのアジア流では、自由に役割を交代します。話したい方が語り、聴きあいます。「心の整理をしなくちゃ」とか「リスナーをしなくちゃ」と、力まないで楽にやれる様子を見せてくれました。 

池見陽さんのワークショップ