「共感的理解」を体得
「感動の大きさにおののいている」「これが本当の傾聴の体験」ー1月11、12日に開かれた「『聴く』を見直そう」ワークショップ。参加者は、ペアワークで「共感的理解」(エッセンス)をもらった時のうれしさを振り返り、実践に役立てていこうとしていた。
このワークショップは、札幌フォーカシングプロジェクトが主催し、道内の心理職ら22人が参加。北大学生総合相談センターの榊原佐和子さんと小坂淑子さんから、フォーカシングを活用した傾聴のスキルアップの指導を受けた。
特に2日目最後が圧巻だった。ジャネット・クラインらが開発したインタラクティブ・フォーカシングの「二重の共感の時」の実習だ。
聴き手は、話が一段落したとき、この話が話し手にとってどのように感じられるかを共感的に想像してみる。聴き手の中で感じられたエッセンスを短い言葉やイメージで伝え、話し手も自身の体験を優しく振り返る。この段階を「二重の共感の時」という。今回は、小坂さんの発案で、エッセンスを伝える前に聴き手が感じられたエッセンスを文字などで紙に書きとめる「心の整理」をした。これによって、聴き手自身のからだの感じ(フェルトセンス)と話し手の身になって浮かぶことを区別しやすくする試み。
参加者は、「話し手、聴き手の双方の中でどういうことが起こっていたのか(ワーク後に分かち合って)感じられた」「聴き手が頭で考えた雑念や心で感じたことをイメージして置けたので、(エッセンスを)表現しやすくなった」と感想を述べた。また、「話し手のイメージを聴き手が別の観点で伝えてくれるので、ありがたかった。共同作業になった」と言う声や、「20年間思っていなかったことに気づいた。どんな感じというのが、わからなくて漠然としていたが、答えを話し手に任せていいんだ」という発見も語られた。