安全に「死にたい」を言える社会に

 北星学園大心理学科専任講師で自殺予防の研究をしている高橋あすみさんが「自殺とメディア/SNSを考える」と題して、心理支援職向けに講演しました。サブタイトルが「安全に『死にたい』と表現できる社会に」です。
 それによると、SNS利用者は13歳から49歳までの8割以上に達しています。「死にたい」という表現が、SNSで広まっていく危険性は横に置いて、親密な関係の中でも言えるようになることが大切だと言います。「死にたい」と話しても、互いに脅かされない社会です。
 聞く側は、否定的な感情に圧倒されないで、自分の役割をわかっていることがポイント。話す側は、自殺したいという気持ちを頭ごなしに否定されない。そうした「過程自体が回復のプロセスになる」と語りました。死にたい人が、「SNSでもリアルでもコミュニケーションを続けられるようにする」ことを促しました。
 高橋さんは、漫画の「ウツパン」の監修者でもあります。メールの相談も受けており、安全な対話のヒントとして「話を聴かせてもらっているという姿勢で返事を書く」「勇気を出して話してくれたことに感謝を伝える」そうです。