やなせたかしの生涯に触れる
NHKの朝ドラで放送中の「あんぱん」のモデルの生地・高知県香美市にある市立やなせたかし記念館で特別展「ぼくと詩と絵と人生と」が開かれている。過去最大の回顧展という。
やなせたかしの素顔に迫る展示と300点を超す自筆作品に触れることができた。本館と別館、詩とメルヘン絵本館の3会場を見て回るのに、予定した3時間で足りなかった。
作詞した「手のひらを太陽に」に「ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだ、友達なんだ」という言葉がある。JR土佐山田駅から車で20分以上、物部川に沿って山間に入った田舎で育ったことが、この歌詞の背景にあることが実感できた。「わすれないで あのころのこと 草や花や虫たちと 友達だった おさない日」という色紙から、私もトンボやバッタ、クワガタと友達だった小学生時代を思い出す。
顔を食べさせるというストーリーが残酷と、大人(編集者)からみなされて、あんまんぱんは世に出るのが遅れた。ようやく彼が54歳で絵本となり、テレビアニメが放送されたのは69歳の時。死後12年たった今も放送され、いかに子供たちに愛されているかは、館内を走り回り、歓声をあげる子供たちからうかがえた。
高知県では、あんぱんまん列車・バスも運行されていた。この機会に多くの人に訪れてほしい。9月28日まで。




