自然に親しむとは、牧野富太郎の生き方
NHKの2023年前期、朝ドラ「らんまん」の主人公・牧野富太郎(1862-1957)の世界を味わおうと、高知県立牧野植物園を訪ねた。
高知県佐川町出身の植物分類学者の「植物園を作るなら五台山」という一言で、五台山竹林寺の周辺を譲り受けて1958年に開園した。
家庭の経済不安を抱えながらも、植物研究に没頭させてくれた妻への感謝をこめて学名をつけた「スエコザサ」の本物と碑があった。生涯をたどる展示館には、書斎が再現されていた。
牧野の言葉として、人生で自然に親しむことほど有益なものはないこと。おのれを捨てて自然の中に飛び込んでいく。目に映じ、耳に聞こえ、はだに感じるものを素直に観察し、そこから多くのものを学び取ることを伝えていた。既存の考えや言葉にとらわれない、生き方を学んだ。
晩年、地域の植物愛好者に向けて、柔和な笑顔でスーパーの野菜の話から説き起こして、わかりやすく語っていたという。その写真にもひかれた。



