実感と身体、創造 五十嵐威暢美術館

 滝川市出身で、デザイナーや彫刻家として世界的に活躍した五十嵐威暢(たけあき)さん(1944-2025年2月)の美術館「かぜのび」を訪ねました。
 考える前に手を動かして自由に作ることをビデオの中で勧めていました。その体験をできるコーナーでは、紙を自由に切って台紙にはりつける材料が用意されています。
 体育館を埋める「ゆ・ふ・る・じ」(9×12×4.6m)は、記憶の断片を即興でカットしたものとか。その周囲の壁には、多摩美大学長時代にSNSにつぶやいた五十嵐さんの言葉が掲げられています。

 答えはいつも自分の中に。ヒントはいつも身の回りに。
 自分自身が実感できることを信じるべき。たとえ間違っていても、そこから次が始まる。
 変だな、おかしいな、違うと感じたら、その自分の実感を大切にしよう。失敗しても、自分のセンサーを鍛えることが最優先。
 考えるとは、身体のあらゆるセンサーを使って体感する、総合的な状態を指している。
 実感がどれだけあるかによって、仕事も人生も、その充実度が決まる。五感を鍛える。つまり身体を野生に戻すことが求められている。
 気づく、発見する、発明するきっかけは、とてつもないどこかからやってくる。それは身体の中から湧き上がってくる、極めて私的なものである。

 これらは土産に買った「はじまりの風 五十嵐威暢ことばのいぶき」からの引用です。実感重視、気づきは身体の中から湧き上がってくるなどフォーカシングに通じるものを感じました。