「人の根を知りたい」仲代達矢さん
俳優の仲代達矢さんが亡くなりました。私は2011年に取材でお会いしたことを思い出します。
私は当時、北海道新聞富良野支局に勤務しており、倉本聰さんが脚本を書いたドラマ「學」のロケで仲代さんが富良野地方に来た際、倉本さんと一緒にインタビューしました。
このドラマは、パソコンだけを友達に一人暮らししていた少年(13歳)が、仲代さん演じる祖父に引き取られて大自然の中でサバイバル生活を送る物語です。
倉本さんは、祖父の履歴を仲代さんに合わせて書き直したそうです。「履歴は人の根の部分にあたる」という倉本さんの話を受けて、仲代さんは「俳優からすると、根っこを一番知りたい。それを倉本さんが示してくれたので、かなり楽にやれた」と語っていました。
単なるせりふを口にするのではない。役柄の人物を全身で理解しようとする。スケールの大きさを感じました。北海道新聞2011年8月13日夕刊芸能面に載った写真を添えます。
