北海道内には、国際フォーカシング研究所(TIFI)からフォーカシングを教える資格を認定されたトレーナーが9人います。
このうち、3人は、社会人向けの講座で教えています。1人はフォーカシングをベースにしたカウンセラーとして開業しています。残る5人は、カウンセリングや相談業務をしています。(順不同)
・勝崎一也 TIFI認定トレーナー、公認心理師、臨床心理士、コープさっぽろ帯広ベルデ店文化教室の「心のケア入門」講座で、フォーカシングを中心にセルフケアの方法を教えている
・泉屋昌平 TIFI認定トレーナー、産業カウンセラー、札幌道新文化センター講師
・上村英生 TIFI認定トレーナー、コーディネーター、公認心理師、キャリアコンサルタント、札幌道新文化センター講師
・篠宮麻子 TIFI認定トレーナー、公認心理師、臨床心理士、札幌市内の「Your Tree」カウンセラー
・小坂淑子 TIFI認定トレーナー・フォーカシング指向セラピスト(FOAT®️の専門性)、公認心理師、臨床心理士、北海道大学学生相談総合センター講師
・吉田言 TIFI認定トレーナー、臨床心理士、滝川市立病院精神神経科臨床心理士
・榊原佐和子 TIFI認定トレーナー、公認心理師、臨床心理士、北海道大学学生相談総合センター准教授
・西岡良洋 TIFI認定トレーナー、精神保健福祉士、社会福祉士、医療法人 北仁会 石橋病院ソーシャルワーカー
・富岡弓貴 TIFI認定トレーナー, 心理カウンセラー, カウンセラー養成講座指導者
保護司や調停委員の面接にも
上村英生は、保護司や家事調停委員、少年の付添人活動の基礎として傾聴とフォーカシングを生かしています。
保護司は罪を犯した人の立ち直りを支えたり、服役中の受刑者と身元引受人との調整をする非常勤の国家公務員です。保護観察を受任すると、月2回程度、対象者と面接をします。その中で、気持ちを整理するために「こころの天気」シートを使うことがあります。これは島根県の教師らが開発したシートで、今の気持ちを天気に例えてクレヨンや色鉛筆で描く方法です。
また、フォーカシングの第1段階とされるクリアリング・ア・スペースを、イメージを浮かべたり、紙に描いたりする方法でしてもらうこともあります。これらによって、対象者は今の自分の気がかりを整理できます。
このほか、「自己表現ワークシート」(大竹直子著、図書文化)を用いて、対象者に気持ちを言葉やイメージを使って表現してもらいました。これによって、こころが安定し、自分をよりよく知って、元気になることが多かったです。
また、「TAEによる文章表現ワークブック」(得丸だと子著、図書文化)も活用しました。フェルトセンス感度チェック、花束のワークなどが効果的でした。「自己PR文をつくろう」で自分の長所を短い言葉にすることで、これからの人生で困難にあっても思い出せる糧となるキャッチフレーズをつかんでくれました。
保護司の面接や、家庭裁判所の調停、事件を起こした少年の付添人活動では、第一に信頼関係づくり、第二に傾聴、第三にフォーカシングを心がけています。ジェンドリンの「人とワークすることの本質は、生きている存在としてそこにいること」(「セラピープロセスの小さな一歩」、金剛出版)という言葉を忘れないようにしています。フォーカシングであれ、他のものであれ、2人の間にはさみこまず、1人の人間としてそこにいること。私が技法を使って操作するのではなく、対象者が私に接触してくるのを待つのです。
相手の中でフォーカシングのプロセスが進むと、生き直しや、離婚や遺産分割でもめている複雑な状況からの一歩前進につながるでしょう。
私がフォーカシングを通じて身につけたことは、幅広い分野の対人援助の基礎として役立つと確信しています。
猫と一緒にいる感じ(上村のコラム)
ネコを飼っています。コトラ(コト)とハナのきょうだいです。野良で餌だけ人にもらっていた猫が2020年5月に赤ちゃんを5匹産み、そのうちの2匹を我が家でもらいました。少し神経質で痩せ気味だったハナも、すっかり丈夫になりました。コトは人懐っこく、あいさつに寄ってきては顔をすり寄せてきます。きょうだい一緒なので、2匹で遊んだり、運動会をしたり、楽しそう。ハナが予防接種で家を離れたときのコトは寂しそうに泣き続けました。
香港の馬傑偉(エリック・マ)さんが、国際フォーカシング研究所のニュースレター「イン・フォーカス」2021年2月号に寄稿したエッセイ「香港で、エッジで考え、希望に取り組む」の中に、ジェンドリンの「猫の神学」があります。政治的自由が急速に失われる中で、馬さんはナダ・ルーさんの、TAE(エッジで考える)コースを受講し、ジェンドリンが猫の神学について話している動画をナダから受け取ったそうです。
(以下、抜粋)ジェンドリンの猫は、ソファでジェンドリンの隣に座っているときジェンドリンの存在を感じていましたが、猫の食べ物をどこで買うかも知らず、ジェンドリンが家から離れて行うセミナーやフォーラムで何をしているかは知りません。それは猫の理解を超えた世界でした。しかし、一緒にいるというフェルトセンス(からだの感じ)はそこにありま した。ジェンドリンは特定の宗教制度は避けていましたが、神とつながっている感覚は持っていました。それは彼の猫が彼とともにいるようなものでした。
この「猫の神学」は(馬さんに)響いてきました。
私はこのエッセイを読んで、香港にいる馬さんが世界の人たちとつながっている感じを持ち続けていてほしいと思いました。同時に、家で飼っているネコたちを思い出します。ネコと一緒にいる、何か意味がありそうな感じはあります。ネコもそれを感じて、顔をすり寄せてくるのでしょう。言葉を話さないネコでさえ、そうですから、私の話を心をこめて聴いてくれる人がいるなら、言葉になる前の感覚にとどまることができるでしょう。その感覚が生じるのを待って、書くこともできるでしょう。このホームページへの投稿もそうした言葉の発信でありたいです。
フォーカシング
フォーカシング(focusing)は、まだ言葉になっていない、からだの感じに焦点を当てる時間をとることです。静かに、ノドから胸、お腹のあたりに注意を向けて、ある状況についてどう...
続きを読む札幌フォーカシングプロジェクト
毎月1回の例会というフォーカシング練習会を20年以上、続けています。どなたでも、参加できますので、一度、いらしてください。
続きを読むワークショップ
道内では札幌フォーカシングプロジェクトが年に2~3回、ワークショップを開いています。
続きを読む道内のプロ
北海道内には、国際フォーカシング研究所(TIFI)からフォーカシングを教える資格を認定されたトレーナーが9人います。 このうち、3人は、社会人向けの講座で教えています。1人は...
続きを読む新聞記事と研究論文・翻訳
ジェンドリンとのインタビュー記録や、北海道教育大大学院で書いたフォーカシングと書くことについての修士論文などを掲載しています
続きを読む出版物
3冊の本と、フォーカシングに関連した新聞記事やコラム、日本フォーカシング協会ニュースレターの記事を紹介します
続きを読むフォーカサーの集い
日本フォーカシング協会年次大会兼フォーカサーの集いが2021年6月にズームで開かれました。札幌で準備しました
続きを読む自分史
上村は、退職を機に1年半かけて自分史を作りました。入稿から本が届くまで8日間というオンライン印刷会社の早さにびっくり。
続きを読む公開講座
2021年6月に開かれた池見陽・関西大教授の公開講座「人生を新しくするフォーカシングの心理学」の内容を載せました
続きを読む資格
フォーカシングの資格は、国際フォーカシング研究所(TIFI、在ニューヨーク)が認定します。日本国内では、TIFIから認定を受けたフォーカシングコーディネーターが訓練にあたります...
続きを読むネコの写真
家で飼っているネコ2匹を写真で紹介します
続きを読む出版・記事
上村英生は、新聞記者として北海道新聞社から「戦禍の記憶」と「倉本聰ドラマ人生」の2冊の出版に携わりました。編集委員時代には、ユージン・ジェンドリンのインタビューし、朝刊の「時...
続きを読むサイトマップ
フェルトセンス からだを使って書くこと
コスタリカでのフォーカシング国際会議で買い求めた本を訳しました。書くことへの応用が具体的に書かれ、哲学的論考も面白いです。
続きを読むジェンドリンとのインタビュー記録
ジェンドリンとのインタビュー記録です。フォーカシングについて知らない新聞読者向けに語ってもらいました
続きを読む修士論文「フォーカシングを使って書き記すことによる社会の構築」(2017年)
北海道教育大学大学院学校臨床心理専攻に提出した修士論文です
続きを読むTAE(エッジで考える)
新聞記者が良い記事を書いた時の感じを、ジェンドリンの開発したTAE(エッジで考える)を使って理論化しました
続きを読む