「プロセスモデルー暗在性の哲学」出版記念シンポ

 「この本ができたから、いつ死んでもいい」「そう言わず、難しい本なのでぜひ読書会を」ー。2月23日オンラインで開かれたジェンドリンの哲学の主著「プロセスモデル」発刊記念シンポジウム。18年間かけて共訳した村里忠之さん、末武康弘さん、得丸智子さんと、司会の諸富祥彦さんから熱い思いが伝わってきました。
 末武さんは「この本は市井に生きる我々が身体感覚から英知を生み出していく、実現する可能性を提示している。7章はすばらしい、8章は極めて難解。特にモナド、ダイアフィルは何なのか今後の議論による」と話しました。
 得丸さんは「ジェンドリンが直接照合体から出てきたものを書いているのがこの本。内的な構造を共有し、ともに発展する概念群が示されている」と言います。内的な構造がどうなっているかを、補論1として得丸さんが書き添えました。
 村里さんは「難しい時代に自分の状況にヒントを与えてくれる本。目に見えない心身の機能のモデル化に取り組み、今までの思想家が達成できなかった域に達している」と述べました。村里さんは解説を書いており、補論や解説を本文より先に読んだ方がわかりやすいかもしれません。 
 みすず書房から、税込み7480円で出版されました。著者割引で送料込み6500円での購入が可能です。希望者は、末武さんへ氏名、住所、電話番号を書いたメール(suetake@hosei.ac.jp)を送ってください。

発刊された「プロセスモデル」。帯に「『新しい人類』像をも提示しようとしたジェンドリンの思考の到達点、待望の翻訳」とある