語り劇「遠い約束」に反戦思う

 語り劇「遠い約束」~桜の幻影~を石狩市のアートウォームで鑑賞しました。
 左藤慶さんの一人芝居です。昭和8年、尋常小学校の校庭に先生の呼びかけで集まった同級生5人。それぞれの夢をタイムカプセルに書き入れて桜の木の下に埋めました。50年後の昭和58年、桜の咲く季節に掘り起こしました。生き残っていた同級生はただ1人です。ほかの4人はフィリピンやブーゲンビル、沖縄で戦死しました。
 この劇では、4人の戦地での最期の姿が再現されます。特攻隊員になり、故郷の上空を低空飛行して挨拶をしたり、「いつまでも友達でいたい」というささやかな夢まで踏みにじられたり。50年後に再会する約束は果たされませんでした。
 コロナ禍でこの3年間、学校公演などをできず、採算面で一人芝居にならざるをえない状況で、ようやく公演を再開できました。
 私の亡き父も戦時中、フィリピンのジャングルで多くの戦友を失い、かろうじて生き残りました。左藤さんの熱演に強く心を揺さぶられました。多くの若い人たちに見てほしいです。

 8月6日まで石狩ArtWarm、8月9日から12日まで恵庭夢創館、9月3日に十勝管内清水町文化センターなど北海道と東京で21ステージが開かれます。劇中に出てくる校歌やテーマソングには、地元の石狩混声合唱団も録音で出演しました。