奈良と京都の7寺を巡る

 奈良県と京都の7寺を巡りました。
 6月2日に秋篠寺と西本願寺、3日に長谷寺と室生寺、薬師寺、4日に唐招提寺と當麻寺です。仏像の両脇が神道の神様だった長谷寺。浄土宗と真言宗の伽藍が両方あった當麻寺など、庶民のニーズに合った宗教のあり方が面白かったです。長谷寺では大和地方4寺の巡礼服をもらい、本尊の参拝に着ました。
 巡礼というと、四国八十八カ所が有名です。「同行2人」と言って、1人で巡っても、心の中では空海が同行していてくれるので、孤独感はないそうです。キリスト教の聖書にも、「死の谷」に歩む人に対して、同じような表現がありました。
 フォーカシングは宗教ではありませんが、「もう一人の自分」とか「大きな自分」を感じるときがあります。気になる何かと一体にならずに、気がかりなことは、もっと大きな自分の一部であると気づくときがあります。
 巡礼は歩くから体の健康にもいいですよね。私も旅行中、一日1万8000~9000歩歩きました。おまけに、仏像に向かって、時には足に触れて、願いを口に出すことは心にも良いようです。長谷寺で護摩木に書かれていたのは、病気快癒や家内安全、心願成就など現世利益が多かったです。これを僧侶が読み上げ、自らも唱えると、少し楽な気分になりました。
 古来、宗教には現代の心理療法の機能も含まれていたのでしょう。感じている願いを言葉にすると、「ああそうか」と新たな理解が生まれます。体験→表現→理解の循環が、ジェンドリンや池見陽さんの言う体験過程です。
 

長谷寺でもらった巡礼服を着てみる
當麻寺の奥の院では阿弥陀仏が浄土をイメージした庭園を見守る
高野山では禁制だった女性の参拝も受け入れ、「女人高野」と言われた室生寺の五重塔